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「船便でも空輸並み鮮度 青果輸出に専用コンテナ」、誰が一番得をするのか?

  • 執筆者の写真: KD
    KD
  • 2016年6月28日
  • 読了時間: 2分

ぶどうやイチゴなど日持ちしない青果をマレーシア向けに船便で輸送する実証実験を開始する。低温度・低酸素状態にして鮮度を保つCA(空気調整)コンテナを用いる。農水省、JA全農、郵船ロジスティクスなど官民が一体となって、近年2桁の伸びを示す日本の農水産物の海外展開を加速させる。

このコンテナを利用すると、コストは空輸の1/5~1/10に圧縮できるという。日数は香港などで5~10日を要する。実際、空輸の場合、香港でのイチゴの小売価格は日本の3~4倍で、その1/3を輸送費が占めている。現在、イチゴの船舶使用は0.1%で、ぶどうでも26%にとどまる。それを20%と50%にそれぞれ引き上げることが目標。

(意味合い)

得するのは一体誰か?

最も得をするのは、取扱い量が増える郵船ロジスティクス社で、次が輸出先の消費者である、と考えられる。一方で生産者はどうか?現地市場の拡大スピードにもよるが、大規模生産者は一定のスケールメリットを享受できると思われる。しかし、小規模生産者にとってはメリットはあまりない。むしろ煩雑な検疫と通関をクリアして独自の販売ルートを開拓してきた事業者にとってはそれらの参入障壁を壊されることになるかもしれない。インフラが整うとと、それだけモノが市場に溢れ、希少性は失われてしまう。コモディティとなる。

農水産物の海外輸出1兆円を前倒しで達成できたとしても、その恩恵が利益として生産者に還元されないと主客転倒。また農水省はグローバル展開に係る事業費の半額を補助する制度も別途設けている。国の支援は、資金面を中心とした方が公平性が高いように思える。

(メモ)

・農林水産物輸出 2015年7,452億円(22%増)、2014年6,117億円(11%増)、2013年5,505年(22%増)

・2015年内訳 農産物(加工品含む)4,432億円(59%)、水産物2,757億円

・2015年相手国別 香港1,794億円(24%)、米国、台湾、中国

・訪日外国人 2020年目標4,000万人(倍増)、2016年2,000万人前倒し達成見込み

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