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「ふるさと納税 首都圏自治体、観光盛り上げ」エシカル消費は根付くのか?

  • 執筆者の写真: KD
    KD
  • 2016年7月1日
  • 読了時間: 2分

ふるさと納税のブームに乗り遅れないよう首都圏自治体も独自の取り組みを始めた。

日帰りでの「体験・コト消費」を返礼品に盛り込み、地域の観光振興に繋げる。神奈川県は「サーフィン・工場夜景見学」、東京多摩市では、ちびまる子ちゃんで有名なアニメ制作プロダクションの制作現場を見学できるコースを用意した。山梨県大月市では、「エコの里」で下草刈りや森林体験ができるという。

(意味合い)

ふるさと納税についてはその功罪が様々な角度から議論されている。そもそも2008年に創設されたこの制度は、東京一極集中による地域格差を是正することが目的であったと思う。生まれ育った地元を離れて都会で暮らしている人たちに、節税効果のある寄附金で支援してもらうことが本来のスキームのはずだった。実際、一人当たりの寄附控除額は、東京、神奈川、大阪など都市部で多く、地域間の税収格差縮小には一定寄与していると思われる。ところが、「ふるさと」でない地域にも寄附が可能な制度となったため、消費者の意識が「寄附<節税&特産品」となり、返礼品によるPR合戦が始まった。

しかし、返礼品競争はあくまで自治体間での話である。生産者は、あくまで商品・サービスの認知度を上げる媒体として上手く活用していけばよい。たとえ1回でもふるさと納税の共通ポータルで取り上げてもらえれば、その宣伝効果は絶大である。さて、日本に本当の意味での寄附文化やエシカル消費が根付くにはもう少し時間が掛かりそうだ。

(メモ)

・平成27年度ふるさと納税実績;約1,653億円(対前年約4.3倍)、約726万件(同約3.8倍)

・自治体別では、都城市42億円、焼津市38億円、天童市32億円がトップ3

・山梨県では、甲州市7.92億円、富士河口湖町2.26億円、山梨市1.17億円、笛吹市1.00億円

・普通予算に占める寄付金額の割合(上位より)甲州市4.956%、富士河口湖町1.920%

・地方交付税交付金;(基準財政収入額-基準財政需要額)で算出される財源不足を国が補填

・税収は基準財政収入額に算入されるが寄付金は不算入、よって寄付増えても地方交付税減らない

・一方、域内住民の寄付金控除で税収減った分は、地方交付税で補填される

・上記のからくり悪用し、市役所職員にふるさと納税を推奨していた自治体あったとか

・寄付金控除61億円に対し、個人住民税11兆6,314億円(2013年)で効果は限定的

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