自由貿易維持へ課題５つ

戦後グローバルな経済秩序の歴史

第1幕　…1945-70年代　冷戦下での米国中心の経済開放施策

第2幕　…1980-00年代　新自由主義席巻、95WTO発足、21中国加盟でピーク

第3幕　…まさに今　無秩序（内政の失策とグローバル規模の摩擦）

自由貿易主義が抱える本源的な課題

①持続可能性　…グローバルコモンズ、カーボンプライシング

②安全保障　…経済活動と国家戦略の区別、脆弱なサプライチェーン

③ブロック化　…フレンドショアリング(友好国間での供給網構築）、①との矛盾

④基準　…知的財産権、労働基準、デジタル課税

⑤内政　…保護主義、ナショナリズム

多国間でルールを定めて自由貿易を行うという発想は高尚だった。これを消滅させることは許されない。米国が役割を果たせないなら、他の国々が立ち上がるしかない。

立場や価値観が異なり、それらの収斂が不可能であるならば、アマルティア・センの提唱するアプローチしかない。

「単一の正義の構想による制度設計ではなく、複数の整備の構想の間で合意される『明白な不正義』を除去するプロセスを重視すべきだ」

ここで重要となるのが、「明白な不正義」の範囲である。この領域を如何に拡大していくかが焦点となる。

良心、倫理、道徳、慈愛・・・