中国、穀物爆買いからの脱却、自給に転換、価格急変も
- KD
- 2023年6月5日
- 読了時間: 1分
世界最大の穀物輸入国である中国の農業政策の変化が市場を揺さぶっている。
食料高や米中対立の深刻化で、中国政府は食料安全保障を重視する。
今春、中国による穀物の大量輸入キャンセルが発生。米農務省USDAによると、4月下旬から5月中旬にかけて米国産のトウモロコシを、累計で110万4000トン分をキャンセルした。米国の中国向け輸出実績の7.4%に該当。
最大消費国の思わぬ動きに、米国の豊作観測も重なり、米シカゴ商品取引所のトウモロコシ先物価格は、1ブッシェル5ドル台半ばと、21年10月以外の安値をつけた。22年春の最高値に比べて3割下がった。
大豆も同様の成約キャンセルが連想され、下落した。
市場は思惑交錯、ブラジル産が記録的豊作により、違約金を払ってでもブラジル産に乗り換えた、との指摘もある。
ただ、「中国が米国依存度を下げようとする大きな流れの一つ」とみられる。
中国がほぼ自給できるのは、コメ・小麦など主要の穀物で、その他の作物は輸入で不足分を賄う。
世界の大豆輸入量の59%、トウモロコシで14%を中国が買い占めており、いずれも世界トップ。
中国の穀物全般の対外依存度は、20%まで上昇している。(2000年は5%水準)
Comments